自由時間
自由時間 「は……ふ、っ……」
反り返る男根に手を添え、飛雄馬は咥えたそれを緩く吸い上げる。
とぷっ、と溢れた先走りが舌の上に乗り、飛雄馬はその体液もろとも、一度口内に溜まった唾液を飲み下した。

夕食前のほんの1時間ほどの自由時間。
先輩選手らに混ざって走り込みや投球練習を終え、くたくたに疲れたふたりが宿舎の部屋に帰ってきたのがついさっきのこと。
部屋に帰ってからも落ち着かない様子で扉の前から一歩も動かないまま前屈みの格好を取る伴に、どうした?と尋ねたことがすべての始まりだった。
それこそ、今すぐベッドに倒れ込み、眠ってしまいたいほど疲れているのに、伴の臍下数センチに位置するモノははそれはそれは元気にズボンの前を膨らませていたのである。
すぐ治まるから、見なかったことにしてくれ、と恥ずかしそうに耳まで赤く染めつつ取り繕う伴がやたらと可愛らしいやら愛しいやらで飛雄馬はぷっ、と吹き出すと、彼の元へと歩み寄った。
そうして、何をするんじゃあ!?と声を上ずらせた彼の足元に飛雄馬は膝をつき、身を屈めてから伴のズボンのファスナーを下ろしてやった、と言うわけだった。
下着の中からそっと男根を取り出してやり、それを外気に晒すと、少し汗に蒸れた匂いが飛雄馬の鼻を突く。
伴のそれは飛雄馬のものより幾分か大きく、皮だってしっかりと剥けているし、太い血管が陰茎にはくっきりと浮き出ている。
目の前に現れた天を仰ぐ男根を前に飛雄馬はゴクッ、と喉を鳴らした。
「し、心配せんでも、じきに……治まるわい」
「…………」
飛雄馬は男根の根元に手を添え、裏筋に口付けると、口を大きく開き伴のそれを頬張る。
とは言え、長さと太さが尋常ではないために、根元まで含む訳にはいかず、ある程度咥えたところで飛雄馬は唇を緩く窄めた。
じゅる、っと音を立て咥えた陰茎を吸い上げ、亀頭を舌と上顎とで挟み込むようにして刺激を与える。
すると、伴の腰はびく、びくっ、と跳ね、吐息混じりに飛雄馬を呼んだ。
「っ……ぶ、ん……」
顔を前後させ、飛雄馬は窄めた口で伴の亀頭を吸い上げる。
先の方だけを咥えたかと思えば、喉を突くギリギリまでを口に含み、唾液をたっぷり溜めた口内でわざと音を立てつつ伴を弄んだ。
「星っ……星ぃっ!」
「あ……!」
どぷっ、と飛雄馬の口内に伴は白濁液を放ち、何度か脈動を繰り返しながらその体液をすべて放出する。
「っ……あ、あわわ!星!すまん、吐き出してくれ!つ、つい」 ハッ、と伴はそこでようやく我に返って、慌てて飛雄馬から男根を抜くと、口を噤んだ彼に自分の出した精液を吐き捨てるよう言った。
「……ふ、ふふっ。いっぱい、出たな」
しかして飛雄馬は口の中に出されたそれを飲み下し、伴に笑顔を向けた。
「星……!」
「さあ、着替えて食堂に行こう。腹が減っただろ、うっ!」
そう言うと立ち上がり、伴に背を向けた飛雄馬だったが、突然に背後から衝撃を受け、前につんのめるようにして床の上へとうつ伏せに倒れ込む。
と、何事かと振り返った飛雄馬の目に映ったのは、自分の上にのしかかって来る伴の姿だった。
その大きな手を伴は飛雄馬の腹の下に差し込むと腰を高く上げさせ、組み敷く彼に尻を突き出させる格好を取らせた。
ひっ……!と悲鳴に近い声を上げた飛雄馬のベルトを緩め、伴はユニフォームのズボンとスライディングパンツを膝の辺りまでおもむろに引き下ろすと、現れた白い尻を直に撫で始める。
「ば、んっ…………!」
「煽ったのは、星じゃい……」
ズボンのポケットから先程、手に塗った際入れっぱなしになっていた傷薬入りのチューブを取り出すと、伴はそれを指先の上にたっぷりと取り、今から自分を咥えさせようという飛雄馬の尻の中心へとそれを塗り込む。
「あ……あっ、っ」
伴の指が尻の谷間にある、窪んだそこを滑るたびに入り口がひくつくのがわかって、飛雄馬は目を閉じ、奥歯を噛み締めた。
扉1枚隔てた先の廊下では他の選手たちが行き来する声が響いている。
腰が震え、飛雄馬は顔をしかめた。
「入れるぞい」
と、伴は解したそこにゆっくりと人差し指を飲み込ませていく。
「っ、う………ん、んっ」
ぐぷ、ぐぷ、と軟膏を纏った指が粘膜を押し広げ、奥へ奥へと入り込んでくる。
入り口を慣らすために伴は挿入させた指を出し入れし、小さく中を掻き回すように指を動かす。
「あ、っ!ばか、ぁっ……」
腹の中から与えられる刺激のせいでやや立ち上がっている飛雄馬の男根がその白い肉付きのいい腿の間で揺れている。
伴は続けざまに2本目を滑り込ませ、飛雄馬の中と入り口とを慣らし、柔らかくなるようそこを解していく。
「あ、っ……ん、あ、ぁ」
腰を揺らし、飛雄馬は伴の指を何度も締め付ける。
「星、少しの間辛抱せい」
ぬるっ、と伴は飛雄馬から指を抜くと、再び立ち上がった男根を互いの腰の位置を合わせてから、彼の尻へと当てがう。
わざと焦らすように亀頭で解した窄まりをさすり、その白い尻を掌で撫でた。
「く、……っ、う、う……伴、へ、んなこと、するな」
飛雄馬のひくつく窄まりに伴は手を添えた男根を押し当て、ゆっくりとその中へと己を突き進めていく。
「っ、ん……」
床に頬を押し付けるようにして飛雄馬は自分の顔の横に手をやり、そこで拳を握った。
腹の中を伴がゆっくりと進んでくるのが分かる。
ゾクゾクと飛雄馬の肌は粟立ち、伴を締め付ける。
と、伴は突然に一気に根本までを飛雄馬の中へと押し込んだ。
「あ……!?」
伴の体重の乗った腰が叩き込まれ、なんの前触れもなくまだ慣れていない腹の奥に触れられ、飛雄馬は突如襲ってきた感覚に身震いする。
伴の重い腰が飛雄馬の白い尻を叩き、その中を抉っていく。
「は、ぁっ……!!あっ!ばんっ!もっと、ゆっくり、ぃっ」
開いた飛雄馬の口から溢れた唾液が床を濡らし、顔の横で握られた拳は頼りなく揺れた。
がくがくと震える腰は床に崩れ落ちることさえ許されず、ただただ伴の欲を受け続ける。
額から流れ落ちる汗が飛雄馬の頬を伝う涙と混じり、顔をびっしょりと濡らす。
もう何度達したかもわからない程に腹の中をめちゃくちゃにやられ、声を出すことも最早ままならず、飛雄馬は開いた口から吐息を漏らすのみだ。
「っ、っ……星、ぃ」
ずるん、とすんでのところで伴は飛雄馬から男根を抜き、2度目の射精は彼の背中へとぶち撒けることと相成った。
飛雄馬はそこでようやく突き上げる格好を取らされていた腰を下ろし、床の上へと両足を投げ出す。
はぁ、はぁ、と伴が肩で息をしながら、己の後始末を終えたところに扉がコンコンとノックされる。
はい、と伴がおそるおそる返事をすると、早く来ないと夕食食いっぱぐれるぞ、と先輩がいつまで経っても食堂に現れないふたりを心配し、わざわざ伝えに来てくれたようだった。
「わざわざすんません。すぐ行きます!」
伴は大きな声で返事をし、飛雄馬に夕食、持ってきてやるからと言い残して、ひとり、部屋を出ていった。
「……かってな、やつだぜ……」
掠れた声でぼやいてから、飛雄馬はゆっくりと膝を使い、腰を上げると引き下げられたスライディングパンツとユニフォームのズボンとを引き上げてから再び床の上にうつ伏せに倒れる。
全身がだるくて頭がぼうっとするし、さっきまで伴がいた場所には未だ何か残っているような気さえする。
「星ぃ、夕めしを持ってきたぞい」
すぅっ、とそのまま寝入りそうになったところに伴が現れ、飛雄馬は慌てて目を覚ます。
「今日はハンバーグじゃい。嬉しいのう」
戻ってきたら、嫌味のひとつでも言ってやろうかとも考えていたが、伴のこの笑顔を見ているとそんな気など到底起こらなくなってしまうな、と飛雄馬はごろん、と寝返りを打ち、仰向けの格好を取ると伴を仰ぎ見る。
「伴」
「ん?なんじゃあ?きさま、まだ寝とったのか」
「腰がだるくて起きられん。ふふ、先に食べるといい。おれはもう少ししてから食べることにする」
「あ!?う、うむ……」
自分のしでかしたことを思い出したか伴は赤面し、それならおれも星が落ち着くまで待つことにするわい、と飛雄馬の寝転ぶ隣へと腰を下ろす。
飛雄馬はそんな彼の姿を横目で見遣りながら、ふふ、と小さく笑い声を上げると、なんじゃい!?と声を荒げた彼に対し、何でもないと答えたのだった。